文吾のブログ

投資と事業と人生について思索し、研究し、実践していく記録

2016年08月

高槻文吾です。

物件売却中ということもあり、不動産仲介業者の付加価値について考えてみたい。

仲介するだけで価格の3%の手数料(両手なら6%)、しかも売却先探しはレインズを使って待つ、という業者が大半。うーん、普通に考えるとすごく楽な気がするなぁ。何が彼らの付加価値なんだろうか。

企業のM&Aにおける、アドバイザー(いわゆるFA)について考えてみよう。
金額が小さい案件については「仲介」というビジネスも存在するが、これは小さい案件は報酬が少ないためだ。
一定以上の金額については、双方代理は利益相反するから買い手か売り手のどちらかの片方につくのが常識だ。

報酬についてはレーマン方式が一般的。説明しておくと、金額が少ない場合は報酬レートが大きく、金額が大きくなると報酬レートが小さくなる。ざっくりいえば、金額が少ない時は5%払うけど、金額が大きくなったら1%にするという感じだ。だいたいやること(作業量)は同じなんだから合理的だといえる。

FAの仕事は売り手側についている場合、インフォメーションメモランダム(IM)と呼ばれる資料の作成、買い手候補先のリストアップ(ロングリスト)し、実際にあたる先への絞り込み(ショートリスト)、打診、トランザクション一連の対応、交渉、ドキュメンテーション等だ。特に、どういう売り先をみつけてくるかは重要な業務の1つといえる。明らかにレインズを通じて買い手を探す人たちよりかは付加価値が高い。

さて、不動産に戻ろう。工場ならまだしも、特にレジの場合、いまやレインズにのせて買い手を待てばいい。どういう人たちが生息しているのだろう。

1)地元密着型の仲介業者。まさに殿様だ。付加価値は創業以来の歴史にともなって積み重ねた人脈と信頼。本当に素晴らしい会社もあるし、歴史に胡坐をかいてダメな会社も散見される。

2)大手仲介業者。ブランド力、という幻想につきる。

3)買取り転売業者(中間省略系も含む)。この人たちは厳密には仲介業者ではない。ただし、ソーシング力(物件仕入力)があり、安く仕入れて、レインズ(あるいは自社で囲っている顧客リスト)を通じて物件を売りさばき、業法上決められた最大手数料(両手で6%)以上を稼ぐ人たちだ。ローンセットが手っ取り早いので金融機関の事情にも精通。彼らの付加価値は、物件仕入力と買い手へのローン付け能力だろう。

4)ローンに精通した仲介業者。彼らの付加価値は、自社で囲っている顧客リスト及びローン付け能力だ。僕が売却を依頼したのはこのタイプだ。

5)売り手の立場に100%たって行動する仲介業者(実質的には代理に近い)もいる。不動産ブログランキング上位の方でこのポジションニングをとって、不動産売却の仲介を受注している人がいるように感じる(これはこれでうまいやり方だし、Win-Winでもあるだろう)。ポジショニングは、競争相手が少ないところに位置することが重要で、依頼者に様々な選択肢を提供するうえで価値もある。

結局、レジ主体の収益物件をレインズを通じて売るのであれば、誰に頼んでもあんま変わんないな、という印象だ。であれば、買う時に有用な情報をくれそうな人に頼んでおこうと思い、上記4)の人に売却依頼したものだ。

この領域、もっと価格破壊がおきてもよさそうだ。

ではまた!

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高槻文吾です。

6月にRC1棟を購入し、こちらに賃料12%アップで入居募集を開始した、と書きました。
売主さん負担で7月末にリフォーム完了してもらい、このたび無事に申し込みを頂きました。

8月は募集の閑散期と思うところ、それでも問題なく12%アップできたので安心しました。
実際の反響や内見も相応に多く、もしかするともう少し賃料アップできるのかもしれません。

今月新たに1部屋退去予定です。
賃料アップ率をどの程度にするか悩みましたが、閑散期でもありますので、こちらも12%アップにしておくことにしました。

7/31現在の所有物件の稼働状況ですが、全44室中43室入居(1室申込みあり、1室退去予定)で稼働率97.7%です。
定期的に退去がでますので、なかなか100%とはいきませんね。

ではまた!

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高槻文吾です。

五輪は日本選手が活躍し面白いですね。

現在、物件を1つ売りに出しています。
皆さん、どういう形で売却されているのでしょうか?

本業の投資ファンドでは、投資先の遊休資産を売りに出すことは多々あります。
その場合は、売却不動産を住居用、工場、リゾート区分マンション等にグルーピングし、数社の不動産仲介業者から提案を受け、一番提案内容が良かったところに依頼する形をとることが多いです。

物件の金額が張る場合は、パッケージ化した物件資料を作成し、オークション形式で捌きます。
稀に不人気物件はオークション形式で捌けないこともあり、やむをえず、レインズに登録し長期戦になる場合もあります。

さて、今回は個人です(個人の物件売却は初めてです)。
私は、今回の売却対象物件で融資を受ける場合、一番良さそうな金融機関と懇意にしている仲介業者二社に一般媒介で依頼することにしました。

一社にしなかったのは、手を抜かないように競争環境を構築しておくためです。
また、三社にしなかったのは、売却にできるだけ注力してもらうためです。もちろん2ヶ月程度様子をみて、売却不調であれば追加していこうと考えています。

価格については、今回の物件に最適な金融機関で調達した場合、LTV90%で資金調達してCFが物件価格の1.5%生じる価格に設定しました(私自身が購入した価格の1.8~1.9倍です)。

9月末までに売却できればと思っていますが、期待通りにいくかどうか楽しみです。

ではまた!

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高槻文吾です。

参院選、都知事選が終わり、リオ五輪が開幕しました。

さて、以前に遊び心でこちらの記事を書きました。私は9月以降、融資拡大がピークアウトを迎え、不動産バブルの転換点を迎えると考えていました。

あと2ヶ月ですが、実際に転換点を迎えるでしょうか。以前記事を書いた時点から、外部環境はずいぶん変わりました。大きくは以下3点です。

(1) マイナス金利の導入
(2) 急激な円高進展
(3) 世界経済のピークアウト(中国リスク+英国EU離脱による不透明化)

・マイナス金利導入は銀行収益を圧迫しています。特に、地銀は日銀口座からの収益が上げられず、地銀の融資はゆるみっぱなしの印象です。

・メガバンクは海外資産を有することから、急激な円高の影響を受け、包括利益計算書を通じて、純資産はダメージを受けてそうです。

・世界経済のピークアウトは企業収益の悪化に向かい、貸倒引当金の増額につながりかねません。

上記から、マイナス金利をカバーするため、収益拡大が不可欠で融資残高を伸ばす必要はありますが、純資産に負の影響をもたらす事象が発生していることからとりうるリスク総量は減少せざるをえず、融資先の選別を進めるものと考えています。

また、監督官庁の金融庁は、地銀の将来は地域成長とともにあると考え、新しい指標を導入する意向のようですが、地銀の経済圏以外での不動産投資ローンを拡大することを重視しているとはまったく思えません。

9月に転換点を迎えるか、来年3月になるかはわかりませんが、近い将来、転換点がくるということは織り込んでおきたいと思います。

ということで、融資がゆるい今のうちに、1件物件を売りに出すことにしました。できるだけ高く売れるといいなぁ。

ではまた!

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